マザコン男の心理(1)/男はみんなマザコン?

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はたして男はみんなマザコンなのでしょうか?

今回は、その疑問にはっきりお答えしてみたいと思います。

よく「男はみなマザコンだ。」と言う人がいますが、その答えは正しくもあり、間違いでもあるでしょう。

確かに、最初、男はみんなマザコンのようなものです。産まれたばかりの男の子は、お母さんがいなければ何もできないのですから。物事の判断は何でもお母さんが決めざるを得ないものです。

しかし、男は子どもから大人へと成長するにつれて、マザコンでなくなる男と、マザコンのままでいる男に分かれていくのが現実です。

産まれたばかりの赤ちゃんはお母さんがいなければ生きることができません。そのため赤ちゃんは、泣けばおっぱいを与えられ、泣けばおむつを替えてもらえます。赤ちゃんは、お母さんは自分の手足だと考えているのです。赤ちゃんは、自分と他人の区別ができず、自分とお母さんは一体化しているものと考えていま す。

しかし、大きくなるにつれて、お母さんが赤ちゃんの手足になることはなくなっていきます。お母さんから「これからはトイレに行く時はひとりでいきなさい。」「着替えはひとりでやりなさい。」と言われることで、初めて子どもはお母さんは自分の手足ではなく、別の存在であると気づきはじめます。自分と他人は違うのだという意識が芽生えてくるのです。最初は一体化していた母子の分離化のはじまりです。

そして思春期になると、子どもは、親がいなくても、ひとりで生きたいと感じていきます。それが自立心の芽生えです。最終的に子どもは、お母さんから離れ、ひとりの大人として自分だけの人生の旅立ちが始まるのです。

しかし、多くの家庭で、そうした健全な自立ができない男の子がいます。その多くが過保護・過干渉に育てられた男の子です。

マザコン男は大人として精神的に自立ができない男でもあります。

通常、人間は15才を過ぎればほとんどのことは自分でできるようになるのですが、お母さんの中には、子どもが15才を過ぎても、いつまでも自分の子どもを子供扱いしてしまうことがあります。

母親が子どものために何でもやってあげることにより、彼らは自分自身の意志決定の機会を奪われ、自我や自立心の成長を妨げられます。そして彼らは、大人になっても、他人の意志決定無しでは不安で生きてはいけなくなります。

また、マザコン男は、とても甘えん坊です。

誤解している方が多いと思いますが、マザコン男は、母親から充分な愛を注がれた人達ではありません。彼らは母親からの愛情が足りなかった人たちです。

過保護・過干渉とは「私はあなたを信頼していません」という意味だとお気づきになられれば、それが良くないことだとおわかりになられるかもしれません。

子どもが親から愛されたいと思うのは人間誰もが持つ強い要求です。それが幼少期から充分に満たされなかった子どもは、いつまでも無意識に母親の本当の愛情を追い求めてしまうのです。

だからマザコン男は、いつまでも母親にしがみつこうとします。充分に愛されるまで、いつまでも母親のそばを離れようとしません。そしてそれができないとあきらめ始めた時、今度は、恋人・妻に母親の身代わりを求めるようになるのです。

母親から健全な愛を注がれなかった子どもは、無意識に満たされなかった母親の愛情を追い求めます。それに気がつかない限り、これらの人々は40歳になっても50歳になっても、マザコン男のままであることが多いのです。

しかし、自分自身の思い残しに気がついた男は、いずれ自分の力でマザコン男から本当の大人の男へと脱却していくことは可能なのです。

マザコン男の心理(2)/マザコン男の発生原因、特徴

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多くの方は、マザコンと聞けば、”男の子がお母さんにしがみついている”イメージを想像されるかもしれません。でも現実は”お母さんが男の子にしがみつく”ことによって、多くのマザコン男が存在しています。

小学生くらいまでの子どもは、学校から帰ってくると、お母さんが「今日、学校どうだった?」と話しかければ、子どもはうれしそうに学校での出来事を一から十まで話してくれるものです。しかし、中学生くらいになってくると、子ども(特に男の子)は親とは必要以上のことはあまりしゃべらなくなります。彼女とは電話で長話することはあっても、母親とはあまり話さなくなるのです。母親にとって寂しいことかもしれませんが、これが子どもの親離れの流れです。

しかし、そうした子どもの親離れの現実に直面した時、強烈に子育てに不安感を抱えてしまう母親がいます。それが寂しがり屋のお母さんです。

日本の社会が高度経済成長の波にのってから、多くの父親が一心不乱に仕事ひとすじに生きてきました。そうやって父親が家庭をかえりみず、ただやみくもに働いた結果、母親と子どもだけが家庭の中に取り残されてしまいました。近所のお付き合いも減り、少子化の波も重なった結果、孤独感が強い寂しがり屋のお母さんが急増してしまったように感じられます。

そうした母親は、子どもが親からどんどん離れていくことが心配でたまりません。子どもには立派に成長してほしいと願う反面、もし子どもが自分の元を離れてしまえば、自分はひとりになってしまうかもしれないという恐怖が拭い切れないのです。

結果として、子どもが年頃になっても、子どもに媚びを売り続け、過度に干渉してしまうようになります。子どもが自分から離れていってしまう不安感から、子どもが嫌がっているのに、子どもの部屋を掃除したり、子どもの部屋の手紙、日記を盗み見たりします。しまいには、子どもが二十歳を過ぎても、子どもがやりたい仕事に口を挟み、子どもの結婚相手にもいろいろと口出しをしてしまうことがあります。

母親がそういうことを続けていれば、子どもは反発するものです。しかし、母親は「あなたを心配しているから」「親として当然のこと」という言葉を使って子どもを黙らせてしまいます。またお金で子どもをいつまでも管理下に置くことも少なくありません。おこづかい、生活費、結婚資金、などを出し続けてあげることによって、子どもがいつまでも親元から離れさせないように無意識に操作してしまうのです。

そして、このように育った男の子がマザコンとなっていきます。

よくマザコン男というと、お母さんに常にべったりで、「ママの作った料理が一番だよ~ん^^」と猫なで声で甘える男を想像する方も多いと思いますが、そのようなマザコン男はむしろ少数です。

現在のマザコン男の大多数は、恋人や妻と一緒にいる時に、もし母親から電話がかかってきたら、逆にぶっきらぼうに対応します。男は周囲に自分がマザコンであることを知られることをとても恐れます。自分がマザコンだと知られてしまえば、異性から嫌われてしまうことをわかっているからです。だから自分がマザコンであることを悟られないように、わざと恋人や妻の前では、母親には冷たくあたる人が多いのです。

しかし、普段は妻の前で「母親なんて関係ない。」という態度を示しているマザコン男でも、母親からいざ命令があった場合、それに逆らうことはできません。

よく、母親の買い物を手伝ってあげる親孝行息子とマザコン男はどこが違うの?と質問を受けることもありますが、その違いは、男の子が「自分の意志でそれを 行っているか」「自分の意志ではなく母親の意志でそれを行っているか」で判断することができます。

マザコン男は、母親から支配されている男です。その関係は上下関係であり、対等な人間関係ではありません。母親に自分自身の人生をコントロールされている男なのです。

そうしたマザコン男の生き方はとても窮屈なもののように思われます。本来、人間は自分の意志で自分のやりたいように生きていいのです。しかし彼らにはその自由がありません。他人から支配される人生はその人にとっては地獄のようなものです。

マザコン男はいつも母親が自分の背中に乗っている感覚を持ち続けています。そして、それを振りほどきたいと望んでいても、それがなかなかできません。自分のやりたいように人生を送りたいと考えていても、その方法がわからず、ただもがき続けているのです。

自立したくても自立できない人生。
そうした人生を送るマザコン男の心の奥は、結構、傷ついているものかもしれません

マザコン男の心理(3)/マザコンから脱却するために

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マザコンの男性はとても子どもっぽく、甘えん坊です。そのような男性に対して「かわいい」と感じる女性も多いと思います。ときおり頼りない一面も見せますが、それがまた彼らの魅力でもあります。

すべてのマザコン男がそのような一面だけなら、むしろ微笑ましいものです。しかし、問題となるのは、マザコン男の中でも、困った行動を起こすマザコン男の存在です。

夫婦問題のカウンセリングをしていますと、問題を起こした夫が、調べてみると実はマザコンであった割合が非常に多いことがわかります。夫が家事、育児を手伝わない、浮気をする、自分の母親の味方ばかりをするなどの不満が、多くの妻から寄せられているのです。

こうしたマザコン男が、夫婦という空間の中で多くの問題を起こす最大の原因は、実は彼らの心の奥で自分の母親を許せていない点にあります。彼らの心の中で は”母親は完璧であるべき”という固定観念が定着し、完璧に愛情を自分に注ぐことができなかった母親を心の底から許せていないのです。

赤ちゃんにとって、自分の親は全知全能の神。自分の要求を何でも満たしてくれる神様のような存在です。彼らは、赤ちゃん時代に植えつけられた思いを、そのまま大人になっても引きずっているように考えられます。

母親は完璧でなければならないという思いが定着していますので、マザコン男は母親の身代わりとなった妻にも、母親としての完璧さを要求します。

彼らは、「女は仕事をしないで家にいるべき」、「女は家事・料理は完璧にこなすべき」、「育児は母親の仕事」という考えを強引に妻に押しつけます。彼らが妻の家事、育児をまったく手伝わないケースが多いのは、実はこの「母親は完璧であるべき」という固定観念が彼らの中に定着してしまっていることが原因です。これでは、妻となった女性としてはたまりません。

それでは、こうしたマザコン男がマザコンから脱却できるにはどうしたらよいのでしょうか?

それは、彼らが自分の母親を許すことです。

夫婦トラブルを起こすマザコン男は、母親は完璧であるべきと思いこみ、子育ての中で自分に充分な愛情を注ぐことができなかった母親を許すことができません。そして無意識に母親=女性に怒りをためこんでいます。

しかし、ここで彼らには考え直す機会を作ることが大切だと思います。

本当に、完璧な母親など存在するのかと?
最初から子育てのプロフェッショナルな母親など存在するのかと?

はじめて子どもを授かった母親は、みな、育児について不安だらけです。不安だから、育児書を読み、わからないことを人に聞いたりするのです。しかし、それでも限界があるのです。

母親はわからないなりに、それでも一生懸命、子どもを愛そうとします。一生懸命、ミルクをあげ、おむつを替え、子どもを抱きしめてあげるのです。

時折、育児に失敗する事もあるでしょう。
でも、それは仕方がないのです。
最初から、子育てを完璧にこなせる母親などいないのですから。

母親は失敗し落ち込み、また失敗し傷つき、
それでも子どもを育て続けてきたのです。

もし、母親が子どもに充分な愛情を注ぐことができなかったとしても、それは、母親が子どもを愛そうとしなかったわけではありません。母親は、子供を愛したくても、愛する方法を知らなかっただけです。

人を許すことは、自分自身の大きな成長につながります。
そして、母親を許せた時、男はマザコンから真の大人へと脱却できるのです。